香港での大規模デモをSNSやニュースで多くの人が目にしていることかと思います。
道が一瞬のうちに人で埋め尽くされたり、警察にデモ隊が追い詰められたりという場面が多くを占めていますね。
今、香港で大規模なデモが起きているということは知っていても、「なぜ香港でデモが起きているのか?」「実際のところ香港ってどういう状況なの?」という疑問を持っている方はまだまだ多くいるんじゃないかと思います。(実は僕もそうでした)
つい先日、香港に住んでいる友人(シドニー留学時代にルームシェアをしていた)とたまたまメッセージを交わして、今の香港の現状を写真付きで教えてもらう機会がありました。
このページでは、その友人からもらった画像付きで(掲載許可をもらっています)、「今香港で何が起きているのか」や「なぜ香港でデモが起きているのか」ということを誇張抜きで出来るだけ客観的に伝えていきたいと思います。
一発簡単まとめ
先に「今なぜ香港でデモが起きているのか」ということを簡単に説明します。
現在、中国は共産党が政権を握る社会主義、香港は民主主義となっています。
香港特別行政区基本法というものがあり、香港ではこの法律が、人権や自由、民主主義を守っているとされています。
1997年にイギリスから中国に香港が返還されたのち、中国国内には2つの制度、つまり中国の制度と香港の制度がある状態が続いており、これを「一国二制度」と呼びます。
しかし、香港の選挙には民衆のほとんどが参加できず、「民主主義って何?美味しいの?」状態。
これをなんとかしようと民衆が起こした運動が「雨傘運動」と呼ばれるものです。
そして2019年、
香港で起きているデモは、「逃亡犯条例」の改正案に対するデモです。
簡単に言うと、法律の内容が「他の地域や国の容疑者を引き渡し、協定のある場所に送りますよ〜」ってものから、「もっと簡単にバンバン引き渡して、協定を結べる所を増やすんじゃ!」という内容に変わるという話なのです。
この法律ができる原因となったのは、台湾旅行中に殺人事件を起こした香港人の犯人が香港から出て来ずに裁けない状態だったのを、なんとか法の下に引きずりおろそうとしたためと言われています。
改正案をなんで香港の人が反対しているのかというと「協定の国に中国が含まれている」から。ぶっちゃけこの一点です。
香港の人は、この改正案が通ったら、中国に簡単に送られ、中国の法律で裁かれてしまうと考えています。そして、より民衆の自由と人権がなくなってしまうという。
だからデモで対抗しているのです。
僕は、中国では人が長期間、無意味に普通に拘束されてしまうとか拷問されてしまうといった、事実確認のできていないことをここで発言するつもりはありません。
中国人の友人が多いわけではありませんが、留学中に出会った中国人の人たちは、今でも大切な友人で、彼らの生まれ育った国を、事実確認のできないままある意味で悪く言うようなことを発信したくないと思っているのです。
少し話が横にそれました。
とにかく、香港の人たちは「香港は香港でいたいんだ!」こういう思いでデモを起こしているんだと思います。
そして、香港に来てる人「旅行、留学、空港で乗り継ぎ」といったことも対象とされているので、ある意味他人事でもありません。
結局、逃亡犯条例の改正案は通らなかったわけですが、今でもデモは続いています。
それは、デモが続いたことにより、新たな要求が生まれたからだと考えられます。
その理由は
・警察と政府の、市民デモを「暴動」と見る見解の撤回
・デモ参加者の逮捕、起訴の中止
・警察の暴力的な姿勢に対する責任追及と外部調査組織を作って欲しいから
・林鄭 月娥(香港特別行政区行政長官)の辞任と民主的選挙の実現
の4点だと言われています。
香港はどうなっているのか?
メディア関係者以外が写真を撮ろうとすると、警察に止められるとのことなので、正直過激な画像はありません。
多くの人がデモに参加していることが伺えます。
日本ではあまり見ることのない光景ですね。
傘を指しているのは、「雨傘運動」の名残みたいです。
「殺人政権」とでっかく書きなぐっていますね。
少なくとも、一部の香港の方が「逃亡犯条例」に危機感を抱いていることがわかります。
大したことのない画像のように見えますが、日本で生活をしていて、日常空間の中で、電柱が曲がってたり、地面が凹んでいることを見かけることなど早々ないと思います。
想像がつかないほどのデモがあったのだと思います。
まとめ
友人によると、一時期は会社が休みになったり、デモで会社が休みになったりということが続いていたみたいです。
ただここで一つ言っておきたいことは、「信憑性が確かではない情報を信じて、香港は危ない場所だ」という認識を持って欲しくはないということです。
現状は、情報さえ押さえておけば危なくはないとのことなので、つまりは自ら興味本位で危なそうな所に近づかなければ問題はないということなのです。
ただ一方で、警察が何も持っていない中学生を銃で撃ったり、白バイがデモ隊に突っ込んだりとおよそ日本人の日常生活からでは、想像もつかないようなことが起きているのも事実です。
今回は、たまたま香港の実情を聞く機会があったので、ブログを運営している身としては、一地球市民として、正しい情報を一人でも多くの人に客観的に届けたいという思いから、この記事を書きました。
そんな感じです。
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