新卒時と転職時では、履歴書の書き方は異なります。転職者向けの履歴書で、好印象を与える書き方を習得しましょう。
履歴書を書く前に知っておきたい!転職用履歴書の絶対条件
履歴書を書く前に以下の2つの前提条件を知っておきましょう。
- 履歴書には形式・種類があるのでフォーマットを検討する
- 履歴書は下書き、清書の順で丁寧に作成する。
それぞれ詳しく見て行きましょう。
履歴書には形式・種類があるのでフォーマットを検討する
「JIS規格」「一般用」「転職者用」のように、履歴書の形式種類は、人によってさまざま。まずはあなたに合ったフォーマットを見つけることがポイントです。
・JIS規格 … 社会人経験が長い方向き
・一般用 … 自己PR欄の項目が多く、社会人経験の浅い方向き
・転職者用 … 退職理由の説明をしたい・転職経験が多い方向き
履歴書を書く基本は、書式の項目に沿って空欄を作らず書くことです。空白を作らないように書くためには、あなたにあったフォーマットを使用します。
たとえば、職務経歴が比較的浅い転職者の場合、職務経歴歴よりも、自己PRや志望動機の項目が多く占めている「一般用」のフォーマットを利用します。
転職経験が多い方は、退職理由を書く項目が多い「転職者用」を利用しましょう。
履歴書は下書き、清書の順で丁寧に作成する。
履歴書は、手書きかパソコンで作成する場合の2つの方法があります。
応募企業にもよりますが、老舗企業や一族経営の企業には手書きの履歴書が好まれる傾向にあります。一方で、IT企業や外資系企業はパソコンで作成した履歴書を好んでいる場合が多いといえます。応募する企業によって、適切なフォーマットを見極めて作成しましょう。
履歴書は必ず下書きを行う
手書きの場合、必ず鉛筆で下書きを行います。下書きが終了したら、誤字脱字がないか、文脈がおかしくなっていないかを確認します。すべて問題がなければ、ボールペンで丁寧に清書します。清書の際は、黒いゲルインクの0.7mmのボールペンを使用するのが無難です。消せるボールペンや蛍光マーカーの使用はNGです。
パソコンの場合も確認作業を必ず行う
パソコンの場合も、作成後に誤字脱字、文脈の確認を行います。校正機能がついているアプリケーションを使用している場合は利用すると良いでしょう。その際に、文字表記の揺れがないかも確認します。データで送信する際には、日付と氏名、履歴書という言葉を含んだ、先方が管理しやすいファイル名に変更します。
上記の内容を踏まえて、手書きにするのか、パソコンで作成するのかを選択をするのが良いでしょう。
【項目別】履歴書の書き方
中途採用における、転職用の履歴書には主に以下のような項目を、記入します。
【日付】【氏名】【写真】【学歴】【職歴】【資格】【志望動機】【趣味・特技】【本人希望欄】
それぞれに、書き方のルールや、好印象を与える書き方のコツがあります。各項目の書き方のコツについて、ご紹介します。
【日付】の書き方
郵送での提出日、もしくは持参日を書きます。「年」は元号が一般的です。「月」だけ書き「日」を省略するのはNGです。
【氏名】の書き方
名前を書くスペースは他より広めになっており、スペースに合わせてしっかり書きます。ふりがなは書式にあわせ「ふりがな」と書いてある場合は平仮名、「フリガナ」と書いてある場合はカタカナを使い分けます。
【写真】の選び方・貼り方
履歴書に使う写真については、下記の3つのポイントをおさえておきましょう。
履歴書用写真の基本ルール
直近3ヶ月以内の撮影が基本です。必ず履歴書や証明書用などを目的に撮影した写真を使います。社会人らしく身なりを整えて撮影した写真を使用します。
履歴書用写真のサイズ
サイズは、相場が、「縦36~40mm、横24~30mm」とされています。写真店で撮影したのであれば、指定したサイズにカットしてくれる場合もあります。
履歴書用写真の表情
写真を選ぶ際は、好印象を与える写真を選びましょう。顎が少し引いているか、目がしっかりと開いているか、歯を見せない用に、口を閉じて、口角を上げているかも大切です。笑顔になりすぎないようにしながらも、柔らかい表情が作れているかどうかがポイントとなります。
【学歴】の書き方
中途採用の場合、高校卒業から記入します。高校なら〇〇科、大学なら学部まで記入。転職志望先にPR出来る専門性があれば、「〇〇専攻」などPRするといいでしょう。また、留学経験などあれば留学先・期間などを明記します。
【職歴】の書き方
職歴(職務経歴)は中途採用・転職に非常に重視されるポイントです。正式な会社名を書いた後、年を追って支店や所属部署、〇〇担当を書き、できるだけ職歴の豊富さや深さをPRします。
履歴書の職歴は、転職の場合必ず別途提出する「職務経歴書」につながるように見出しとして書くようにします。
【資格】の書き方
一番いいのは公的資格です。民間団体の資格もあれば記入しますが、その場合は発行団体名を記入しておきます。志望先が募集要項で求めている資格や、業務に関係ある資格がベストです。仮に関係なくても守備範囲の広さとしてPRする方法もあります。ただ、業務に関係がなく、しかも取るに足りない資格をむやみやたら記入しておくのは逆効果です。運転免許は求められることが多いのであれば必ず記入します。
【志望動機】の書き方
・同業他社の中でなぜその会社を志望するか
・なぜその仕事や業種を志望するのか
・あなたのスキルが会社でどう活かせるか
・あなたの言葉で動機が表現出来るか
基本は自分の職歴で得たスキルや経験を貴社に活かせるという趣旨がベストです。また、志望する会社の事業内容、成長性などへの興味、関心も志望動機を書く際のポイントとなります。
志望動機も自分のスキルを活かしたいと書いた場合は、具体的なスキルを職務経歴書で記入するようにします。志望動機欄はスペースに限りがあるので、箇条書きにし「以下の理由で貴社を志望致しました。」と簡潔に書き、詳細を職務経歴書で述べるといいでしょう。
面接で必ず質問される項目なので、スペース内にしっかり書きます。書いた内容は口頭でも1分以上語れるようにしておきます。
【趣味・特技】の書き方
業務に関係のある趣味が一番いいのですが、関係なくても人間的な幅や広がりの参考にされます。また、面接担当者と話が弾みそうなユニークな趣味は、話の掴みになるので是非記入しましょう。ただし、特技も同様ですが、隠し芸のようなふざけた印象を持たれかねないものは避けます。
【本人希望欄】の書き方
「貴社の規定に従います。」が最も適切です。給与や休日など労働条件面での希望を書きがちですが、どうしても譲れない希望があればこの欄では書かず、面接時に事情を言って相談するようにします。
知っておきたい履歴書のルール
下記の3つのルールをおさえておきましょう。
虚偽の記入は絶対にしてはいけない
履歴書は入社後、人事の一件書類として残される正式書類なので守らなければならない一番のルールは、虚偽の記入は絶対してはいけないことです。仮に入社しても、後で虚偽が判明した場合は、解雇になることもあります。
学歴や職歴も空白期間が合っても順に書く
学歴も職歴も順に年数を追って書きます。仮にあまり言いたくない期間があったとしても、抜かして書くと逆に不信感を持たれ、面接で必ず質問対象になるので気を付けましょう。 アルバイトも立派な職歴なので自信を持って書きます。まったく職歴のない空白期間は「就職活動期間」や「自己啓発期間」などと表現し、詳細は面接でしっかり話す準備をします。
修正液を使わない
書き方のマナーとして、手書きの修正は見苦しく、むやみに修正液を使わないようにします。基本は労をいとわず、間違えれば必ず書き直すことです。また、語調はあくまで「です」「ます」で記入。「特技:なし」などは印象を悪くしますので、「特にありません」と書きます。
提出する際のポイント
転職活動は、会社側にとってはビジネス場面そのものです。特に転職の場合、最低限、社会人としてのスキルは備わっていると判断されるので、書類を提出時する際の不備はチェックされると考えましょう。
封筒の選び方
ビジネス場面では、白封筒が基本です。履歴書等の書類はA4サイズなので折らずに、同じA4サイズの封筒を使います。また、書類だけでは封筒の中で折れ曲がりが起こる可能性があるので、クリアファイルに入れるようにします。
郵送で提出する場合のマナー
郵送の宛名書きは、住所に続き、中央に届け先の社名が入るようバランスよく書きます。そして、必ず担当者の所属部署と名前を明記します。また、表書きの左横には、内容物がわかるように「履歴書在中」あるいは「応募書類在中」と書きます。裏は、差し出し人の住所氏名を忘れずに書きます。
手渡す場合のマナー
会社訪問した際、まず名前と要件を伝え担当者を呼んでもらいます。
「お世話になります。この度御社に応募させていただく〇〇と申します、本日は応募書類を持参致しました。」
要件を述べた上で、封筒を渡します。不在の場合は、「〇〇様によろしくお伝えください。」と言い添えます。手渡す場合の表書きは、住所は不要です。
自分の経験・スキルが十分に伝わる履歴書を
転職時の履歴書は、基本の書き方は新卒時と同じですが、社会人経験があるのは間違いないので新卒時以上にマナーや基本ルールを守って書くことが大切です。特に、職歴など新卒時にはない欄があるのでわかりやすく記入し、かつしっかりPR出来るようには書かなければなりません。
いずれにしろ、履歴書に書いた内容は職務経歴書とともに、それを材料にして面接時の質問項目となります。履歴書の基本ルールを押さえつつ、自分の経験、スキルが十分に伝わることを意識して書くのが転職履歴書の最も大切なポイントです。
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