Webマーケターの仕事に関わる新人の方にとって、最初の関門といえば、圧倒的に専門用語ではないでしょうか。
「会議中に聞いたこともない用語が飛び交いすぎて、何を話しているのかわからねえ…わからない言葉を調べてるうちに、知らない用語がさらに複数出てきてさらに話についていけなくなる…」
こんな経験を誰しもが一度は通ります。
最初のうちは許されると思います。しかし、一ヶ月経ってもまだ用語を覚えておらず、話についていけなかったら本当に恥をかくことになります。
ベンチャー企業ですと、常に自身の価値を発揮する必要があるので(社風にもよるかと思います)、社内の会議で年次に関わらず有意義な発言を求められることが多いです。
そのような中で、用語がわからず、話についていけないというのはスタートラインに立ってすらいないと言えるでしょう。
いずれ上長から「会社は学校ではない」と言った厳しい一言をもらうことになるかと思います。
今回は、そんな新人の方はもちろん、Webマーケティングに関わる全ての人に向けて、基本のWebマーケティング用語をご紹介します。
大事なのは、ただ覚えることではなく、本質を理解することです、
どれもよく登場する言葉なので、必ず抑えておきましょう。
何度も言いますが、知らないと確実に恥をかくことになります。
基本のマーケター用語まとめ
1,アドフラウド(Ad Fraud)
アドフラウドとは、botなどを使い無効なインプレッションやクリックを機械的に行い、広告費用に対する成約件数や広告効果などを不正に水増しすることを指します。
2,アルゴリズム
アルゴリズムとは、数学、コンピューティング、言語学、あるいは関連する分野において、問題を解くための手順を定式化した形で表現したものを指します。
基本的にはエンジニアの間で使われることが多いですが、媒体ごとに広告配信のメカニズムが違い、それが特徴となるので、システムの概要を知りたい時などに使う場合もあります。
3,アロケーション
アロケーションとは、「割り当て」「配分」という意味を持ちます。ネット広告などで運用型のものでは予算を媒体ごとに割り振っているケースが多く、例えばfacebook:40万、Twitter:30万、buzzvideo:20万といった形です。
基本的には、月の予算の上限、そこから割り出せる日予算の上限が決まっており、その中で運用を行うのですが、各媒体に予算の消化状況や効果状況が異なります。
そのため効果の悪い媒体の予算を効果の良い媒体へ移動させるケースがあります。この際に「アロケーションして増額する」といった使い方をします。
4,エビデンス
エビデンスとは、証拠・根拠といった意味を持ちます。マーケティング担当と媒体の担当やASPの担当などがやり取りを行なった後に、お互いに齟齬がないことを確かめるためにメールなどでテキストとして証拠を残す際に使います。
具体的には月の予算金額や施策効果内容がメインとなります。
最近ではチャット(Chat workやFacebook messenger)でもエビデンスとして採用している企業もあります。(僕の勤めている会社ではチャットを用いることが多いです)
5,ASP(Affiliate Service Provider)
広告を掲載してもらいたい企業(クライアント)と自分のサイトで広告を掲載したい人(アフィリエイター)を仲介する役割です。クライアントはASPにあらゆる商品リンクや広告を登録でき、アフィリエイターはその中から扱うものを選択します。
6,グロス/ネット
グロス/ネットとは、簡単にいうと手数料を含めた金額か含めていない金額かということです。グロスは手数料込み、ネットは手数料抜きを指します。ネット広告では、媒体を利用する際にかかる手数料や代理店などに払う手数料が存在します。
7,コミッション/マージン/フィー
基本的には、どれも手数料という意味で使われます。厳密にいうとコミッションは売買契約の仲介者に対して売り上げ金額のx%といった具合に設定されている金額のことを指します。
マージンは、利幅を意味しています。つまり売値から仕入れ値を引いたものを意味します。しかし、これも捉え方次第では手数料と考えることができます。
フィーは、単純に手数料という意味を持ちます。
ネット広告業界では色々と使い分ける人が多いですが、圧倒的に多い表現ではコミッションだと思います。
8,コンバージョン(CV/Conversion)
ホームページやアプリにおける成果のことです。コンバージョン(CV)の内容はメディアごとに異なり、例えば保険なら資料請求、ECなら購入などがあります。
コンバージョンの地点は目的によって様々な形を取り、一つのメディアに複数のコンバージョン地点があることもあります。
9,バジェット
予算や経費などの意味でよく使われます。自分からはあまり使うことがないかもしれませんが、商談で先方が使うことがあるので、抑えておかないと会話にズレが生じることになります。
例としては「今回の施策ではどれくらいのバジェットを用意する必要があるのか、その見積書を作ってください」といった次第です。
10,コンバージョンレート(CVR/Conversion Rate)
ホームページやアプリに訪れた人のうち、コンバージョンに至った割合のことです。コンバージョン数÷流入数またはクリック数で計算します。
11,インプレッション(imp/Impression)
広告の効果を計測する際に使う指標で、広告の露出回数を指します。
ツイッターのタイムライン上に、1回広告が表示されると1インプレッションです。
12,クリックスルーレート(CTR/Click Through Rate)
インターネット広告が表示された際のクリック率のことで、クリック数÷インプレッション数で計算します。
13,コストパーアクイジション(CPA/Cost Per Acquisition)
インターネット広告における、1件あたりのコンバージョンにかかる費用のことを言います。広告費÷コンバージョン数(アプリのインストール数など)で計算します。
通常CPAは低い方がいいのでうが、あまりに低すぎると獲得していたはずのユーザーを逃している可能性があります。
14,ランディングページ(LP/landing page)
ランディングページとは、ユーザーが検索エンジンあるいは広告などから最初にアクセスしたページのことです。
ただしWebマーケティングにおいては、商品を売るために作られた1枚のWebページのことをランディングページと言います。
最初から完璧なLPを作ることは難しいので、通常何度かテストをします。
15,リターンオンインベストメント(ROI/Return On Investment)
投資した広告費用に対して、どのくらいの利益があったのかという割合を計算することです。
利益÷コストで算出します。
16,リターンオンアドバタイジングスペンド(ROAS/Return On Advertising Spend)
投資した広告費用に対して、どのくらいの売上があったのかを計算する指標のことです。ROIと似てますが、こちらは売上÷コストで計算します。
ロアスと呼ばれることが多いです。
17,アフィリエイト広告
ホームページ、ブログ、メールマガジンにリンクを掲載してもらい、そのリンクからの成果に対して報酬が発生する「成果報酬型広告」のことを指します。
18,ディスプレイ広告
YahooのYahooプロモーション広告、GoogleのGoogleアドワーズなどに課金して表示してもらう広告のことです。閲覧中の広告に表示されます。
19,リスティング広告
Yahoo、Googleといった検索エンジンで特定のキーワードを検索したユーザーに対して、検索結果に連動して表示する広告のことで「検索連動型広告」とも言います。キーワードごとに広告出稿が可能なため、ユーザーのニーズにターゲティングすることができます。
20,アドネットワーク広告
広告媒体を複数集めて「広告配信ネットワーク」を形成し、多数のホームページで広告を配信する手法です。
21,重要業績評価指標(KPI/Key Performance Indicator)
重要業績評価指数のことです。事業内容によって異なりますが、Webサービスであれば、獲得件数、CPAといったものがあり、アプリであればARPUなどが当たります。
22,アープ(ARPU/Average Revenue Per User)
ARPU(アープ)とは1ユーザーあたりの平均収入を表す指標です。
アプリを例にすると、粗利x円÷インストール数で計算します。
アプリの場合、最終的にはここの数字が良くなっているか、悪くなっているかで全体として改善されているかを判断することが多いです。
ただ一方で自然流入以外の広告流入が増えるとARPUは得てして落ちがちなので、自然流入ARPUと広告流入ARPUで分けて考えた方が、報告する際にスムーズに進みやすいです。
23,エーエスオー(ASO/App Store Optimization)
ASOとは「アプリストアの最適化」を指し、ストア内の検索結果に自社のアプリを表示させることでユーザーに見つけてもらいやすくする手法です。
日本国内において、アプリ掲載ストアに代表される「app store」と「play store」では、ASOのメカニズムが違うので注意が必要です。
24,エスイーオー(SEO/Search Engine Optimization)
SEO(検索エンジン最適化)とは、検索エンジンのオーガニックな検索結果において特定のウェブサイトが上位に表示されるようウェブサイトの構成などを調整することを指します。
最近では「Search Eperience Optimization」つまり検索経験最適化と呼ばれることもあり、要するにユーザーに最適な情報を届けるための手法ということです。
25,クッキー(Cookie)
ブラウザに、一時的に情報を保存する仕組みのことです。クッキーには有効期限があるため、期限を過ぎると消滅します。
まとめ
今回の記事で伝えておきたいことは「マーケティング用語についてちょっとでも覚えておくと、円滑に仕事が進みやすい」ということです。
かなり上からの視点であり、今回僕が挙げたものが必須かと言われると決してそうではないかもしれませんし、他に覚えておくべき用語の抜けもあります。
ただこれらの用語を理解していれば、円滑に打ち合わせができたり、他部署とのコミュニケーションなどには少なからず役に立ちます。
話についていけない回数を減らしていくことで、自身も発言をしやすくなり、より価値を発揮しやすくもなります。(何よりモノを知らなさすぎて、恥をかくことが少なくなります)
つまり何が言いたいのかというと、人と人がより円滑につながって、価値の創出できる社会にしていければなということです。
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